Nicolai
ニコライ|香水界の名家出身・女性調香師が挑んだ革命
1989年、ゲラン家の血を引く女性調香師パトリシア・ド・ニコライが創業したフレグランスブランド。パトリシアの祖母はゲラン家の出身。そんな香水界のサラブレッドは、その伝統を打ち破るかのように、不透明なマーケティングで固められた香水産業界に透明性を与えた。彼女は店舗の隣に”調香師”と書かれたサインを掲げたガラス張りのラボを設け、そのラボを公開した。店舗を訪れた人々は、それまで秘匿されてきた神聖な香水作りの全工程を目のあたりにすることができた。彼女のこの行為により、調香師の職業人としての専門性は公に示され、調香師の社会的地位を高め、男性の職業とみなされていた調香師に性別の壁を取り払うこととなった。 ブランド創業の前年1988年にフランス調香師協会による“若手調香師の国際賞”を女性で初めて受賞したパトリシアは、より自由な香水づくりを求め、夫と共にブランドを立ち上げた。先祖ピエール=フランソワ・パスカル・ゲランの伝統を継承し、ひたすら素材にこだわった。天然・合成問わず、最高品質の香料を仕入れ、香水を開発し、生産し、小売りまでをブランド内で一貫して行っている。 現在、パトリシアはパリの香水図書館(オスモテック)の2代目の代表として、世界の香りの遺産を守り、文化を啓蒙する活動にも努めている。
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