Houbigant
ウビガン| 4世紀の歴史を超えて存在する唯一つのフレグランスハウス
ウビガンは世界で最も古い歴史を持つ、権威あるフランスの香水ブランドのひとつ。その歴史は近代・現代香水の歴史そのものと言っても過言ではない。創設者のジャン・フランソワ・ウビガンが、1775年にパリのフォーブール=サントノレ通り19番地に「花々の籠」という手書きの看板を掲げて香水店をオープンさせたのがブランドのはじまり。創設からすぐに王侯貴族に愛され、顧客の一人だったマリー・アントワネットがフランス革命でギロチンにかけられるその時まで、肌身離さずウビガンの3本の小瓶を胴衣に忍ばせていたというエピソードはあまりにも有名。ナポレオンが戦役中もウビガンの香りを片時も手放さず、百日天下の時に初めに取り掛かったのは戦争の準備とウビガンでの買い物だったという逸話も残されている。その後もフランスの王族のみならず、英国王やロシア皇帝などさまざまな国の王侯貴族らに愛用される香水となった。 1882年、ウビガンは「フジェール ロワイヤル」という革新的な香水を発売。世界で初めて香水に合成香料を用いるという製造面での革命と、本来香りのしないシダという植物を高貴さという概念とともに抽象的かつシンボリックに香りで表現するという創造面での革命の2つを同時に成し遂げ、香水のクリエイションに爆発的な表現の幅をもたらし、現代的な香水の幕開けを創った。また1912年には、ダイアナ妃が結婚式でまとった香りとしても有名な名香で、世界ではじめてのマルチフローラルブーケ香水としても有名な「ケルク フルール」も発売されている。 20世紀半ばには全世界に販売網を広げたウビガンだったが、20世紀後半に一時的に販路を縮小したあと、21世紀に入った現在ではモナコ公国のペリスグループ社のバックアップのもとでウビガンブランドの再興と発展に務めている。