Maison Violet
メゾン ヴィオレ| 過去と未来の架け橋
1827年にフランソワ・エチエンヌ・ヴィオレ氏によって創業されたヴィオレは、高級香水や香水石鹸などを手掛け、数々の国際的な賞を受賞し、スペイン女王やフランス皇后からの寵愛を受けるまでになる。事業を拡大路線にのせたヴィオレは、世界恐慌や二度の世界大戦など、時代の荒波に翻弄されついに1953年にその栄光の歴史に幕を閉じることになった。
2017年、ヴィオレ創業から190年の時を経て、調香学校を卒業したばかりの若手調香師の3人アントニー・トゥールモンド、ポール・リシャルド、ヴィクトリアン・シロの手によって、「メゾン ヴィオレ」として復活を遂げた。大手香料会社のサポートのもと一流調香師とともに当時のヴィンテージボトルから香気成分を解析したり、歴史家と当時のリサーチを重ねたりと研究を続け、ついにはヴィオレの名香を復興させることに成功する。当時のクラシカルな香りを単に再現するのではなく、現代的に昇華させた彼らの取り組みは、単なる懐古主義ではなく新古典主義とでも呼ぶべきもの。加速し続ける現代社会の中で、彼らはあえて立ち止まり過去を振り返り、そこにインスピレーションの源を探すことを推奨する。自身が手掛ける香水たちが、過去と未来の架け橋になると信じている。