Bastille
バスティーユ|自由なる香水
若き女性起業家マリー・オルテンスによって2020年にパリで設立されたフレグランスメゾン。経営コンサルタントでもあり、社会起業家でもあった彼女は、他の業界では当たり前になりつつある「持続可能性」と「透明性」という視点が、格式と伝統が支配する香水の業界にはまだ足りていないのではという疑問を抱き、意を決して香水業界に飛び込み起業。
数々の名香を生み出してきたマスターパフューマーのアン・フィリポや、香水業界の中心で長らくブランドマネージャーを務めてきたソフィー・メザントらの力を集結し、天然香料を主体として環境にも肌にも優しい独創性の高い香水を生み出すことに挑戦した。
秘密のベールに包まれている旧態依然とした香水業界の悪しき慣習を打破することをミッションとして「自由なる香水」という概念を掲げ、貴族と教会による封建的支配を打ち破ったフランス革命の象徴である「バスティーユ牢獄」の襲撃になぞらえて、ブランド名を「BASTILLE(バスティーユ)」と制定した。
他社による香りのコピーを避けるために暗黙の了解として全成分開示を行わない香水業界の慣習に異を唱え、コピーされるリスクをとってでも透明性を担保するためにすべての成分を開示し、また香料メーカーと一体となって調達する原料のトレーサビリティにもこだわっていることが一番のブランドポリシー。原料の95%を天然成分として、残りの5%はアレルギーや発がん性に対する安全性が確認されている天然由来の合成成分(例えば使用されているアンブロキサンという原料はセージ由来)を使用。元々は天然香料100%での香水作りを目指していたが、この方針により単なる天然香料主体の香水とは違って、香りの持続性とクリエイションの独創性に広がりを持てることとなった。
コロナ禍においてスタートした新たな香水ブランドがまたたく間に世界中にファンを獲得して数々の賞を受賞するようになったのも、時代を先取りした革新的なポリシーと確かな香り作りの融合があったからこそ。