- フェロモンの真実と幻想
「フェロモンの真実と幻想」
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エレオノール・ド・ボヌバル、イラック・グールデン
フェロモンは同種の個体間でコミュニケーションを取るための化学物質で、昆虫や哺乳類など多くの動物で確認されている。しかし、ヒトにおけるフェロモンの存在は未だ立証されていない。一部の研究では、ある物質がヒトの行動や生理機能に影響を与える可能性が示唆されているが、懐疑的な意見も多い。それは人間のもつ複雑な脳機能が動物のように即時的な反応を抑制するからと考えられるからだ。果たしてヒトに作用するフェロモンはあるのだろうか。 - 魅力の化学
「魅力の化学〜体臭が紡ぐ愛」
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エレノール・ド・ボヌヴァル
体臭は、免疫システムや遺伝子の影響を受け、個人を特定できるほど独特である。新生児は母親の匂いを識別し、家族の匂いを好む傾向にある。恋愛においても、容姿や性格だけでなく体臭が重要な役割を果たす。体臭は、感情や年齢、ホルモンバランス、病気などによって変化し、食生活の影響も受ける。恋愛では、匂いが他者を識別する役割を果たし、初恋の香りが後の恋愛に影響を与えることもある。体臭によるつながりは視覚情報よりも愛を深める秘訣となり得る。 - 誘惑のイメージ
「誘惑のイメージ〜香りが描く現代の男女像」
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デルフィーヌ・ド・スワール
香水の広告は、身体やカップルの官能的なイメージを通して、欲望や誘惑を表現してきた。しかし、現代では性やジェンダーをめぐる価値観の変化により、従来の表現方法が十分に機能しなくなっている。今日の広告には、多様化する恋愛観や性別の固定概念を超越する新しい提案の形が求められている。香水ブランドは、古いステレオタイプなイメージに頼るのではなく、消費者一人一人の物語に寄り添うことがますます重要になっている。 - 香りの性別
「香りの性別〜境い目が消えつつある男性用の香水と女性用の香水」
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ドニーズ・ボリウ
香りというものは、本質的には性別を有しないものだが、文化的な慣習により香水には男女の区別がなされてきた。しかし、1800年代後半のゲランの「ジッキー」などのジェンダーを意識させ過ぎない香水の登場以降、性別の境界を曖昧にする動きが広がった。男女双方に影響を与えるオーデコロン、性別のステレオタイプを揺るがすゴルチエやミュグレーの作品や、昨今のニッチフレグランスによる性別の再定義など、香りは性別の流動性を示す繊細な表現として進化し続けている。 - 男性が香りをまとう
「男性が香りをまとう〜常識をぶっ壊せ!『香水は女性のためのもの』という固定概念の変遷」
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ウジェニー・ブリオ
西欧では香水は長らく女性的とみなされ、男性の使用は暗黙の中で制限されてきた。時代により男性の香りの使用に寛容な時期もあったが、19世紀には男らしさの理想像が変化し、香りの使用はより慎むべきとされた。20世紀に入り、男性用の香水が登場。特にシダをベースとした香りが男性的価値観と結びつき普及した。男女の社会的役割の変化とともに、香りと性別の関係も流動的に変化している歴史を紐解いていく。
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