連載【 What’s in my “NOSE” 】ー #07 NOSE SHOP デジタルマーケティング担当 堀内 ー

香りの楽しさや奥深さを伝えることを目指す、NOSE SHOPスタッフ。この連載では、香りにまつわる質問はもちろんのこと、NOSE SHOPとの出会いや愛用品の紹介を通じて、スタッフ1人1人の素顔に迫ります。その他、私服に合わせる“香水コーディネート”などもご紹介。第7回はNOSE SHOP デジタルマーケティング担当の堀内が登場!

Before meeting NOSE SHOP

私は新潟の自然豊かな場所で育ち、幼少期は野山を駆け回ったり、海で遊んだりして過ごしました。草花の匂いを嗅ぎ、木苺を摘んで食べる、そんな遊びをしていた記憶があります。香水っていいなと思ったきっかけは母の存在。特別な日に香水をまとう母を見て「なんだかかっこいい」と感じたんです。子供ながらにバラエティショップのボディスプレーやハンドクリームを買い、真似をしていましたね。

大学は美大に進学し、彫刻を専攻。大きな彫刻作品を見て感動し、身体全体を動かしてものを作るというプリミティブな表現に憧れて専攻しました。主に漆を扱う彫刻作品を制作していたのですが、クスノキやイチョウ、クルミなど、木の匂いに囲まれて制作する日々は、とても楽しく充実していました。

大学卒業後は工芸の道も迷いましたが、東京で就職することを選びました。文化的な施設が多い東京で、大好きな音楽や美術に触れながら暮らしたいという憧れがあったんです。WEBに関する知識や技術を一通り習得しようと、大手ショッピングサイトの運営企業に就職しました。WEBページの企画や制作、進行管理など、ディレクター業務を担当して、デジタルにおける表現においても、彫刻に共通するようなものづくりの楽しさを感じることができました。

NOSE SHOP デジタルマーケティング担当 堀内

Meeting with NOSE SHOP

NOSE SHOPを知ったきっかけはTwitter(現・X)でした。タイムラインにThooの「ザタイム|現在」が流れてきて、アート作品のようなボトルデザインに惹かれ、取り扱いのあるNOSE SHOP 新宿を訪れました。多分、上京して2日目だったと思います(笑)。スタッフさんに丁寧に接客していただき、「すべての香水を自由に試していいんだ!」と感動した記憶があります。実際に「ザタイム|現在」の香りを嗅いだときは「お茶って、こんなにすてきな香りなんだ」という驚きとともに、香りの表現の幅広さに驚きました。また、卵型のボトルに描かれたペイントが一点ずつ手作りということにもびっくり。ニッチフレグランスには、ひとつひとつ思いが込められていると、体験をもって知りました。

「より自分の好きな分野に関わる仕事がしたい」と転職を考え始めた頃、運よくNOSE SHOPのオンラインサイト運営担当の求人を見つけて応募しました。漆職人や舞台芸術といった他の選択肢とも迷いましたが、NOSE SHOPをきっかけに香水沼へ深くハマっていたこともあり「受けなきゃ後悔する!」と思ったんです。

入社後はデジタルマーケティングチームの一員として、オンラインサイトの運営に携わっています。商品を撮影してWEBページを制作し、物流管理からお客様サポートまで、オンラインでお客様に商品が届くまでの一連の業務を担当しています。お客様と直接顔を合わせる機会は少ないですが、商品との出合いからお受け取りの瞬間まで楽しんでいていただけるよう心がけています。デジタルマーケティングチームでは、オンラインストア独自の香水キットや施策も企画。私自身がユーザーとして購入していた経験から、お客様視点に立って考えることに難しさとやりがいを感じています。

NOSE SHOPに入社後は、香水との向き合い方が変わったと感じます。以前は好き・嫌いという軸しかなかったのですが、今は香料、調香師、ストーリーなど、多角的に香水を見られるように。香りの奥深さをより深く知ることができたと実感しています。

What’s in my “NOSE”

好きな香りのジャンルはウッディやハーバル系。それから、お茶系の香りにも惹かれます。

Stora Skuggan「シルフィム|絶滅した薬草」
入社前に購入した香水。ハーバルな香りを試してみたいという好奇心から選びました。物語に出てくる魔女の家のような、唯一無二の幻想的な香りが好きです。「絶滅した草」というコンセプトやボトルデザインも気に入っています。夏につけると涼しさを感じ、肌寒い雨の日につけると香りの鋭さが増す気がします。

Stora Skuggan「ムーンミルク|月のミルク」
上京してまもない頃、大人っぽいニットに合う香水を探しにNOSE SHOP 新宿へ行ったとき、スタッフさんにセレクトしていただきました。帰宅後、脱いだニットから香る柔らかい香りに感動して。後日聞きに行ったら、サンダルウッドの香りだと教えてもらいました。就寝前につける「寝香水」として使うことも多いですね。つけたては華やかでスパイシーなのですが、翌朝目覚めると、ミルキーで柔らかい香りに包まれるんです。起きてもまだ夢の中のような……。今、2本目を愛用しているほどのお気に入りです。

Abel「シアンノリ」
夏の時期に「海の香りを感じたい」と探していたときに出合った香水です。海の近くで育ったので、海の香りを嗅ぐと懐かしい気持ちになります。この「シアンノリ」は実際に海苔の香りが使われていて、まさに海!という感じ。ほのかに香る、柑橘系やムスクの香りもいいんです。これまでの好みとはガラリと違う路線で、「晴天の霹靂みたいな香水」と勝手に表現しています(笑)。

Diffar「21612 ウッディ アーシィ」
愛用の香り系アイテムの中で一番の新入り。ウッディな香りのヘアオイルです。去年、初めて試してみたら、とても癒されてうっとり。お風呂に入って髪を乾かした後にヘアケアをしつつ、リラックスして眠りにつけます。また、朝のヘアセットにも最適。今パーマをかけているのですが、ツヤも束感もいい感じに出せるんです。ボトルデザインもかわいいので、使うたびにテンションが上がります。

KO-GUブラックティー」「ピーチ
「ブラックティー」は、入社前にKO-GUの店舗で出合いました。店頭全体に吹きつけられていた香りが、あまりにいい香りだったのでスタッフさんに尋ね、愛用するようになりました。また、ちょうど桃の香りを探していた時期でもあり、「ピーチ」とのカスタマイズを試してみたところ、フルーツティーのような香りでお気に入りに。かわいらしいピーチの香りにブラックティーを重ねると、渋さやフレッシュさが加わり、より自分好みになります。

Favorite Items

OSAJI アップリフトネイルカラー「43 Yobigoe(呼び声)」
蛍光黄緑のような一見奇抜なカラーですが、オレンジパールが入っているので、爪に塗ると肌馴染みがいいんです。仕事中も自分の爪に見惚れてしまうほど気に入っています。「呼び声」と、物語性がある名前がついている点もすてきで、使うたびに愛着が湧きます。

梨木香歩「家守綺譚(いえもりきたん)」
代表作『西の魔女が死んだ』をはじめ、梨木香歩さんの作品が大好き。中でも、『家守綺譚』は本がボロボロになるまで、何回も読みました。100年ほど前の日本を舞台に、亡くなった友人の家を預かる小説家が主人公の短編連作。心がホッとする話が多く、私にとってお守りのような1冊です。

青木千絵 図録本
漆の作品を制作する青木千絵さんの作品集です。人間の体が溶けているような、一見禍々しさを感じる作風ですが、漆の硬い皮膜で人間の脆い部分を守っているように感じます。「弱いけど強い」人間の本質を表現しているようでかっこいい。大学時代に京都の個展で実物を見て、その迫力に圧倒されて作品集を買い、今も大事にしています。

青葉市子「アダンの風」

アルバム全体がひとつの物語のように作られていて、楽曲はもちろん、写真が美しいブックレットもお気に入りです。作品のコンセプトやクリエイティブがすばらしいと思います。LPとCDを両方持っていて、気分に合わせて聴き分けています。 父がアナログレコードを好きだった影響で、私自身も音楽が大好き。サイケデリックやカントリー、ロックなど、浮遊感のある曲を聴くことが多いですね。好きなミュージシャンのライブは欠かさず、「音楽とともに生きている」という感じです!

ペトロールズ「GGKKNRSSSTW」

超おすすめのバンド、ペトロールズのアルバムです。曲の頭文字を並べただけというユニークなタイトルは、人それぞれ自由に解釈をしてほしいという思いでつけたそうです。音の厚みやコーラスなど魅力がたくさん詰まった1枚。

Perfume Coordinatiton

形や素材に個性がある服を集めがち。今回はその中から、選りすぐりのアイテムを組み合わせました。

「PAMM」のトップスは夜の風景が全面にプリントされていて、風景そのものを着ているようなデザインがお気に入り。暑い日でもさらっと涼しく、快適な肌触りの素材も好きです。ティアードパンツは「MARTE」のもの。歩くたびにふわふわと揺れるデザインがポイントです。

かかとの有機的なフォルムが印象的なヒールは、古着屋で見つけて即決。今はお家に飾って愛でています。「谷中 松野屋」で見つけた集金バッグは、シンプルながら大容量で丈夫!普段使いはもちろん、旅行のサブバッグとしても重宝しています。

香水はStora Skugganの「ムーン ミルク」。地面からふわっと浮いているような浮遊感のある香りで、ライブ前や夜寝る前につけることが多いです。香りが長持ちするので、楽しかった時間の余韻に浸れる点も嬉しいですね。


Tops:PAMM
pants:MARTE
shoes:Dries van Noten
bag : 谷中 松野屋
perfume:Stora Skuggan ムーンミルク

Dear NOSE SHOP FAN!

デジタルマーケティングという側面からNOSE SHOPの運営に関わり、商品レビューやお客様からのお問い合わせを通じて、そのご感想言葉に共感したり、新たな香りの印象を知ったりと、日々学ばせていただくことばかりです。公式HPやSNSなどでは、旬のアイテムを随時ご紹介しておりますので、ぜひのぞいてみていただけたら嬉しいです。店舗でもオンラインストアでも、皆さまのお越しをお待ちしております! 


※記事内の紹介製品は、すべてスタッフの私物です。

photo・interview|NOSE SHOP
text|Miho Kawabata