連載【 What’s in my “NOSE” 】ー #09 はな 店長 大下 ー

Before meeting NOSE SHOP
福岡出身で、18歳からアパレル業界に携わっていました。美容専門学校に入学し美容師免許を取得しましたが、当時流行していたストリートスナップやカリスマ美容師ブームの影響で、学校を卒業する頃には「ファッションの道へ進みたい!」という気持ちに。卒業後は自然とアパレル業界へ進むことになりました。 ラグジュアリーブランドでの接客経験を通して、ブランドの世界観を深く理解し、お客様とパーソナルな関係性を築くことの大切さを学びました。お客様の心に適度な距離感で寄り添い、ブランドの「顔」として、デザイナーの思いをエモーショナルに伝えることを意識していましたね。このとき学んだことや経験は、今、NOSE SHOPでの接客にも活きているのかなと思います。
30歳で東京へ転勤後、ご縁がありフォトグラファーのアシスタントに。アルバイトや派遣の仕事を掛け持ちしながら、撮影の基礎を学びました。実は昔から、カメラが好きで写真を撮ることが趣味だったんです。家族や友人に「うまいね!」と褒められることがあって、もしかして自分は写真が得意なのかもしれないと背中を押され、写真を撮ることの楽しさを感じるようになっていきました。
その後、ECサイトの商品撮影や運営の仕事を経て、再び人と関わるサービスの現場に立ちたいという思いが芽生え、NOSE SHOPに応募。「副業OK」という環境も背中を押してくれ、現在も時折りアパレルブランドの商品撮影などの仕事を続けています。

はな 店長 大下
Meeting with NOSE SHOP
香りに興味を持った原点は、母が使っていたイヴ・サンローランの「ベビードール」。可愛らしいボトルデザインに惹かれ、それから香水の世界に魅了されていきました。学生時代は量販店で買えるフレグランスを使い、だんだんファッションの延長として香りをまとうように。香水は常に自分を表現するツールのひとつでした。
NOSE SHOP入社前、正直あまり店舗へ足を運んだことはなかったんです。ニッチフレグランスの世界は、未知の存在としての憧れがとても強いが故に。当時は手の届かない世界だと感じていたからこそ、心惹かれるものがあったと思いますね。
入社後は、NOSE SHOP 新宿に配属。取り扱うブランドの多さと情報量の豊富さに圧倒されながらも、自分なりの「香りのフローチャート」を頭の中で組み立てながら、接客のスキルを磨いていきました。「この香りが好きなら、これかな?」「これもおすすめかも」といった成功体験を重ねて、フローチャートはブラッシュアップされていきました。そうして、少しずつ一人前として接客ができるようになった気がします。
その後、NOSE SHOP 麻布台のオープンにあたって店長に。NOSE SHOPで最大の売り場面積、全国最大規模の取り扱いブランドの多さに、入社当時のようなプレッシャーを感じましたね。大規模店舗の運営に関わりながら、「正解のない環境で自分なりの型をつくっていく」経験を積みました。
そして、NOSE SHOPが手がけるバー「はな」が「渋谷のんべい横丁」にオープンすると聞き、店長に立候補しました。とはいえ、社内にとって新しい飲食業という業態のため、ロールモデルもいない状況。誰に聞けばいいのかもわからず、とにかく自分で調べたり、人に聞いたりして、手探りで一つひとつ進めました。「これで合ってるのかな」と確認しながらも、締め切りは容赦なく迫ってくる。立ち上げ時は、過去最速レベルのスピード感で前進していましたね(笑)。現在、オープンして約半年が経ちました。「はな」ではオリジナルのカクテルやお菓子など、香りを味わう体験を通じて、お客様との一対一の深いコミュニケーションを日々楽しんでいます。
What’s in my “NOSE”
撮影場所:はな 1Fカウンター
マリンやシトラス、フローラル、アロマティックといった、軽やかで甘すぎない香りが特に好きです。ただ、苦手と感じる香り以外は基本的にどんな香りも楽しめるので、「お得な鼻」をしているなと思います(笑)香りもファッションの一部として、その日の気分やシーンに合わせて選び、身にまとうことを楽しんでいます。
Andrea Maack「デュアル|スパ・ラグーンの快楽」
NOSE SHOPで初めて購入した香水です。ミニマルなボトルに惹かれて香りを試すうちに、その名の通り「二面性」のある構成に心をつかまれました。温かさと冷たさ、静けさと力強さといった相反する要素が共存するこの香りは、香水の奥深さを教えてくれた1本です。
Tauer Perfumes「レール デザルプス スイス|スイス・アルプスの風」
アルプスの山々をイメージした香り。雪解けの水を想起させるみずみずしい香りに、心が浄化されるような気がします。肌なじみの良さと香りの持続力も魅力で、思わず深呼吸したくなります。
Houbigant「ピヴォワンヌ スーヴェレーヌ」
ピオニーの華やかさが主役の香水。長い歴史を持つブランドならではの上質な香り立ちに、一瞬で魅了されました。大好きなピオニーをここまで真正面から表現した香水にはなかなか出合えないと感じます。
Elisire「プードルデジール|純粋な女性らしさのエッセンス」
NOSE SHOPでは比較的めずらしい、フローラルの王道。クラシックで洗練された香りは、装いに品格を添えてくれます。どこか懐かしさを感じさせるような、しっかりとした存在感のある香りです。
Pierre Guillaume「モヒート シプレ」
ストロベリーモヒートの香りってなかなかない!と思って惹かれました。爽やかな甘さに、ほんのりとしたハーバル感がプラスされた香り。夏のご機嫌なムードを演出してくれます。
Favorite Items
撮影場所:はな 1Fカウンター
Nikon 一眼レフカメラ
フォトグラファーのアシスタントを務めていた時期にがんばって買った思い入れのあるカメラ。今も撮影の仕事を受ける際の相棒です。表現の幅を広げてくれた、転機の象徴的存在ですね。
お香コレクション(松栄堂[芳輪 白川 渦巻]/APFR インセンススティック[Blue Hour]/ポット)
お香は生活の一部として楽しんでいます。松栄堂の渦巻型のお香は持ちがよく、お気に入り。大好きな器店で買ったポットをお香立てにしています。APFRのインセンススティックは麻布台店のスタッフから、離任時にもらった贈り物。偶然にも自分が使っていた香りと同じだったことで、スタッフとの絆を感じた忘れられないアイテムです。
ドリス ヴァン ノッテン「リップバーム」
キャップが選べる仕様のリップバームは、気分の上がるデザインが魅力。リップバームは必需品だからこそ、自分のテンションを上げてくれる見た目の可愛さも大事にしています。
撮影場所:はな 1Fカウンター
Prism「フラワーベース」
フォトグラファーとして参加したグループ展でご一緒させていただいた作家、Prismさんの一輪挿しです。植物を愛でることが生活の一部となっている私にとって、大切なアイテムのひとつ。
Perfume Coordinatiton

普段はモノトーンを選ぶことが多く、柄物を着る機会はほとんどありません。落ち着いた色合いでまとめることで安心感があり、自分らしさを表現できると思っています。けれど今回は、「はな」を取り上げてもらえる特別な機会。せっかくならと、思い切って普段は避けがちな柄物を取り入れ、攻めのスタイリングに挑戦しました。リゾートチックでご機嫌なムードのスタイリングには、もちろん「モヒートシプレ」を合わせています。ファッションでは特にシャツが好きで、シンプルでありながらディテールに工夫があったり、ひと捻り効いたデザインに惹かれることが多いですね。最近では平成スタイルの再燃もあり、オンタイムで平成を駆け抜けてきた身としては、少しノスタルジックになりつつも、「そのスタイリングなら任せて!」と胸を張れるのは強みかもしれません。むしろ自然と現役感を身にまとえるのでは…と密かに楽しんでいます。
tops:Y/PROJECT
bottoms:ADER ERROR
shoes:TOGA
bag : HELIOT EMIL
ring:FELIX DOLL
perfume:Pierre Guillaume モヒート シプレ

Dear NOSE SHOP FAN!
「はな」は一対一の深いコミュニケーションが生まれる場だと感じています。NOSE SHOPの店頭ではなかなか聞けないようなお話をお客様が共有してくださることもあり、そこから生まれる会話の奥行きをとても面白いと感じています。また、香水とカクテルやお菓子とのペアリングを通じて、香りの奥行きや新しい一面に気づく瞬間も。香りが持つ表現力をより深く楽しんでもらえる場として、「はな」だからこそできる体験をこれからも届けていきたいと思っています。
※記事内の紹介製品は、すべてスタッフの私物です。
photo・interview|NOSE SHOP
text|Miho Kawabata