連載【 What’s in my “NOSE” 】ー #11 NOSE SHOP 新宿 細川 ー
香りの楽しさや奥深さを伝えることを目指す、NOSE SHOPスタッフ。この連載では、香りにまつわる質問はもちろんのこと、NOSE SHOPとの出会いや愛用品の紹介を通じて、スタッフ1人1人の素顔に迫ります。その他、私服に合わせる“香水コーディネート”などもご紹介。第11回は「NOSE SHOP 新宿」スタッフの細川が登場!
Before meeting NOSE SHOP
実は私、もともと美容師として働いていたんです。高校を卒業して、通信制の学校に通いながら美容師免許を取得し、地元のサロンに8年半ほど勤めました。そこは、常に新しい刺激を求めるクリエイティブな職場で、都内の有名講師のセミナーや地方の勉強会にも積極的に出向くような、すごく活発な環境。飽きることなく、毎日を全力で楽しんでいましたね。右も左もわからないまま入ったので、言葉遣いやマナーについてはかなり厳しく鍛えられました。その時の経験が、今の接客の土台になっています。
20代後半に差し掛かると、転職したり、新しいキャリアを積み始めたりする同僚や友人が増えてきて。「私はずっとこの場所にいていいのかな」という焦りにも似た気持ちが芽生えました。お店に不満があったわけではなく、「今、次のステージに行かなきゃ」と、半ば自分を追い込むようにして辞める日を決めました。
でも、次にやりたいことが明確にあったわけではないので、正直その後は中途半端な状態に(苦笑)。上京してヘアスタイリストのアシスタントやフリーランスとしての活動を始めましたが、試行錯誤の連続。ただ、今振り返ればあの苦しい時期こそが、自分自身の価値観を見つめ直す、なくてはならないターニングポイントだったかなと感じています。

NOSE SHOP 新宿 スタッフ 細川
Meeting with NOSE SHOP
もともと香水は好きでしたが、当時はデパートに並んでいるようなメジャーなブランドしか知りませんでした。あるとき、姉と一緒に新宿のニュウマンへ行ったのが、NOSE SHOPとの最初の出合い。「まだ日本では広く知られていない香り」が整然と並ぶ光景に心を掴まれました。これほど個性的な海外ブランドを扱っているのが、日本の会社だということにも驚きましたね。
実は一度、アシスタント時代にNOSE SHOPの求人に応募したことがあったのですが、スケジュールの都合で泣く泣く辞退した経緯があります。それでも香りの世界への憧れは消えず、半年後に再び募集を見つけた瞬間、「今度こそ」という思いで迷わず応募しました。
入社後、これまでの「技術を提供する美容師」と「モノを販売する接客」の違いには、想像以上に驚かされましたね。特にNOSE SHOPに来てくださるお客様の熱量や視点は、本当に独特で深いんです。働き始めた当初は、自分より知識のあるお客様を前に「何かお伝えしなきゃ」と構えて動揺してしまうこともありました。でも最近は知識を吸収しながら、お客様と一緒に驚いたり、新しい発見を楽しんだりする「同じ目線」のリラックスした接客ができるようになってきました。今は、じっくり潜在的なニーズを引き出すだけでなく、自分の直感を信じて瞬発的に提案することも大事にしています。
What’s in my “NOSE”

清潔感があるけれど、どこか一癖ある香りに惹かれます。肌に馴染んだあとの、その人だけの香りに変化していくプロセスを見るのが、香水選びの醍醐味です。
Sora Dora「イロップ|恋の情事」
「恋の情事」というドキッとする名前ですが、香りはアプリコットと金木犀で懐かしさを感じます。肌に乗せると、まるで体温に溶け込むような柔らかい甘さが広がるのが特徴。童心に帰れるような香りです。
Liquides Imaginaires「ドン ローザ|ピンクシャンパーニュ フランボワーズの香り」
NOSE SHOPに入って初めて買った、思い入れのある香水です。ローズやシャンパン系って、実はそれまで選んだことがなかったジャンル。でも新宿店で働いているときにあまりに人気だったので試してみたら、そのおしゃれさと、日常に馴染む絶妙なバランスに感動。まさに「いいとこ取り」な一本で、迷わずリピート決定です!
Elisire「ジャスマンパラディ|楽園の香気」
NOSE SHOP 銀座に異動してから出合ったお気に入り。マダムのような品格もありつつ、お風呂上がりのようなみずみずしさもあって、肌そのものがいい香りになったような感覚になれます。年上の方とお会いするときなど、さりげなく清潔感を出したいときにぴったりです。
Amouage「エピック ウーマン」
店頭で日々香りに触れる中で、Amouageの存在感はやっぱり別格だなと感じます。普段は使いやすさ重視で選ぶ私ですが、これだけは香りを嗅いだ瞬間の感動で選びました。エキゾチックで華やかな世界観が好きです。
KO-GU「リキッドソープ」
以前、KO-GUの店舗にヘルプへ行ってから、イランイラン(現在は廃盤)の香りが大好きに。お家でも香りを楽しみたいけれど、空間はできるだけフラットにしておきたい。そんなときには、キャンドルよりもリキッドソープくらいのさりげなさがちょうどいいんです。手を洗うたびにふわっと広がるシンプルな香りに、いつも癒やされています。
Favorite Items

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー「コーム」
以前、一緒に働いていた先輩からいただきました。職人さんの手仕事で作られた、見た目も美しいコーム。名前を刻印してもらったので、世界に一つだけの相棒です。前髪を整えるために常にバッグに入れて持ち歩いています。
Typology「T40 — ティント リップオイル」「T10 — ティント セラム」
歳を重ねるごとに肌に優しい素材が気になり愛用しています。実は私、メイクが苦手でずっとファンデ選びに迷走中だったのですが、このティントセラムは薄づきで、理想の仕上がりに。化粧してる感を出したくない、ナチュラル派の私の救世主です。リップオイルは発色がいいのはもちろん、一見ネイルみたいに見えるパッケージがかわいくてお気に入りです。
LOA「マルチオイル BLEU CLAIR」
日本のサロン発のヘアオイル。夏に発売されたこのグリッター入りが本当にかわいいんです。本来はボディ用なのですが、私は髪にもつけてキラキラさせて楽しんでいます。夏はもちろん、冬のホリデーシーズンにもぴったりでした。腕や首元につけていると、敏感なスタッフたちがすぐに気づいて褒めてくれる、密かな自慢アイテムです(笑)。
ヴェレダ「ローズマリー スカルプクレンジング」
美容師時代、お客様にマッサージをしていても自分自身は後回しになりがちで、頭皮が硬くなっているのが悩みでした。今はこのスカルプクレンジングを常備し、週に一度ケアして頭皮をほぐしています。スッキリ感が本当に気持ちよくて手放せません。
キャンプグッズ(Snow Peak チタントレック/Iwatani ホットサンドグリル)
コロナ禍をきっかけに、キャンプなど自然の中に身を置くことが大好きに。Iwataniのホットサンドメーカーでカリカリに焼いたシュウマイは格別です。Snow Peakのチタントレックは、初めて買ったキャンプギア。使うたびに煤を落として大事に使っています。道具を使い込むほどに愛着が湧く感じが、自分のライフスタイルに合っているなと思います。
クラフトジン
その土地のボタニカルの個性がギュッと詰まったクラフトジンは、まさに「飲む香水」。香りの構成を想像しながら、ゆっくりと味わう時間が至福です。お気に入りの一杯を片手に、その日の出来事に思いを馳せるのが、今の私のリラックス法ですね。
Perfume Coordinatiton

以前から古着や懐かしさを感じるものが好きです。また職場の環境もあってか、最近は身につけるもののルーツを調べ、日本のブランドや作り手のこだわりを感じられるものに惹かれます。 PIPATCHARAのハンドバッグもその1つ。環境に配慮したサステナブルな背景と、マクラメ編みの温かい表情が大好きで大切にしています。
低身長なので、コーディネートはバランスを大事にしています。上下はタイトにまとめていますが、スカートが長いのでトップスは短めのものをセレクト。上から羽織ったメンズのデニムジャケットは、かなりのオーバーサイズ。ガーリーに寄りすぎたくないときに重宝している、お気に入りアイテムです。
最近お気に入りの香水は、Sora Doraの「イロップ」。この香りはどこか懐かしい甘さを感じて、思わずうっとりしてしまいます。好きな服を着て、るんるんで出かけたいときに合わせたくなる1本です。
jacket:TMT
tops:Esth.
bottoms:MEYAME
bag : PIPATCHARA
perfume:Sora Dora イロップ

Dear NOSE SHOP FAN!
新宿店は、NOSE SHOPの旗艦店として常にエネルギーに満ちています。2025年8月のリニューアルを経て、これまでのニッチなラインナップに加え、ラグジュアリーなブランドも新たに仲間入りしました。より幅広いジャンルの香りを、一度に楽しめる空間へと進化しています。
「ほしい香りのイメージをうまく言葉にできない」というお悩みもよくうかがいますが、実は私自身も同じです。でも、そんな「言葉にできない想い」を形にすることこそが、NOSE SHOPのミッションでもあります。お客様の好きな物事やルーツに寄り添いながら、一緒にぴったりの香りを言葉に紡いでいく、そんな香り探しをお手伝いさせてください。ぜひお気軽に立ち寄っていただけると嬉しいです。
※記事内の紹介製品は、すべてスタッフの私物です。
photo・interview|NOSE SHOP
text|Miho Kawabata

