2020年 1月 26日
コラム
詩を纏う。ペルシャ文学最大の詩人ルーミーの詩の香り
みなさんはどんな本を読むのが好きですか?
僕は簡単に読めて味わい深い詩が好きです。
昨年の10月、トルコからニシャネというブランドがやってきました。
このラインナップを眺めていると、ルーミーコレクションという13世紀の詩人、ルーミーの詩にインスパイアされたラインがありました。
どんな詩だろうと調べてみると香水だけでなく映画にも使われるなど現代にまで影響力のある方であることがわかりました。
そこで、今回はルーミーの詩をモチーフにした香りを詩とともに紹介します!
まずは、ルーミーとはどんな人物だったのでしょうか。
ルーミーは1207年から1273年までを生きたペルシャ語文学史上最大の神秘主義者と言われています。
彼の神秘主義とは、すべての出来事を神のような存在とのコミュニケーションの一環にするような、経験と神のような絶対的存在を結びつけるような考え方だそうです。
彼はそのほとんどをニシャネが発足したトルコで過ごして亡くなられました。
現代でも様々なエンタメの世界にも影響を与えていて最近だと、映画『シェイプ オブ ウォーター』のラストシーンにも彼の詩が登場していルほか、歌姫ビヨンセは彼女とパートナーでラッパーのJay-Zさんとのお子さんに彼からとったRumiという名前をつけています。
それでは、そんなルーミーの具体的な作風は香水とともに実際に見てみましょう。
トップ|チュベローズ、マンダリン、ピーチ
ボディ|ホワイトジャスミン、ガーデニア、アイリス
ベース|バニラ、サンダルウッド、ベチバー
詩:”I closed my mouth and spoke to you in a hundred silent ways”
「私は口をつぐみ、100の方法で愛をあなたに語りかけた。」
という詩がモチーフになっています。
言葉だけでなく、仕草や視線で愛を伝えるということではないのでしょうか。
言葉では言い尽くせない愛を表現した詩なのかなと思います。
慈愛に満ちた時間を抽象的に表現されていて味わい深い詩だと思います。
香りは、バニラをベースに、ピーチのフルーティーさ、ジャスミン、ガーデニアとチュベローズのしっとりとした甘く優しい香り。
甘々な香りで「言葉なく愛を伝える」というワンシーンと詩を香りで表現した素敵な香りです。
ジンジャー(インドネシア)、パンプキン、タンジェリン、イモーテルフラワー、ネロリ(モロッコ)、ローズ、スパイシーノート、ベチバー、ウッディノート、ムスク、ヘリオトロープ・・・
詩:If Anyone wants to know what spirit is or what "God's fragrance” means, lean your head toward him or her.
Keep your face there close. like this.
「 もし魂とは何か、「神の芳香」が何を意味するかを知りたいのなら、愛する人へ頭をもたれかけなさい。顔を近づけたままじっとするのです。このように。」
という詩の朗読がモチーフになっています。
女優、ティルダスウィントンさんとのコラボレーションで知られるこの香りですが、彼女の詩の朗読と彼女の全てからインスパイアされて作られた香りになっています。
そしてその朗読された詩の作者こそがルーミーでした。
ここで紹介した詩は抜粋ですが、Etat libre d’orangeのSoundcloudで詩の全貌を彼女の朗読で聴くことができます。
この詩は一節で、夜空の美しさや神の香り、魂といった目に見えないけれど目の前にある極限の世界を自分の仕草で伝えています。
取り上げている箇所では魂と神の香りを彼/彼女とハグをするような仕草で表現しています。それを彼女の温かみのある読み方や、彼女の生まれ育った家と重ね合わせることで、ジンジャーブレッドのような香りがすごく安心させてくれます。
この香りを通して人を愛することを許容される世界や無条件に愛されるという安心感を作りたかったんじゃないかなと感じます。
トップ|ココナッツ、ラム
ボディ|タバコ、トンカマメ
ベース|オークモス、シダーウッド(中国産)
詩:"Set your life on fire. Seek those who fan your flames”
「あなたの人生、火の中に飛び込みなさい。そして、その火を仰ぎ燃え上がらせてくれる友を探し求めなさい。」
という詩がこの香りのモチーフになっています。
香りとしては長い付き合いの友人と会って会話をしながら自分のモチベーションも上がっていくような場面を切り取ったようなタバコとオークモスの香りがふわっとスモーキーに香ります。
自分のモチベーションを上げる時のお守りのような香りです。
一瞬でその人の作り出す世界に入りこめるのは詩も香水も共通している醍醐味の1つだと思います。
詩と香りの共感覚、詩という一つの世界を纏ってみてはいかがでしょうか?
僕は簡単に読めて味わい深い詩が好きです。
昨年の10月、トルコからニシャネというブランドがやってきました。
このラインナップを眺めていると、ルーミーコレクションという13世紀の詩人、ルーミーの詩にインスパイアされたラインがありました。
どんな詩だろうと調べてみると香水だけでなく映画にも使われるなど現代にまで影響力のある方であることがわかりました。
そこで、今回はルーミーの詩をモチーフにした香りを詩とともに紹介します!
まずは、ルーミーとはどんな人物だったのでしょうか。
ルーミーは1207年から1273年までを生きたペルシャ語文学史上最大の神秘主義者と言われています。
彼の神秘主義とは、すべての出来事を神のような存在とのコミュニケーションの一環にするような、経験と神のような絶対的存在を結びつけるような考え方だそうです。
彼はそのほとんどをニシャネが発足したトルコで過ごして亡くなられました。
現代でも様々なエンタメの世界にも影響を与えていて最近だと、映画『シェイプ オブ ウォーター』のラストシーンにも彼の詩が登場していルほか、歌姫ビヨンセは彼女とパートナーでラッパーのJay-Zさんとのお子さんに彼からとったRumiという名前をつけています。
それでは、そんなルーミーの具体的な作風は香水とともに実際に見てみましょう。
NISHANE (ニシャネ)|HUNDRED SILENT WAYS (ハンドレッドサイレントウェイズ)
NOTE:トップ|チュベローズ、マンダリン、ピーチ
ボディ|ホワイトジャスミン、ガーデニア、アイリス
ベース|バニラ、サンダルウッド、ベチバー
詩:”I closed my mouth and spoke to you in a hundred silent ways”
「私は口をつぐみ、100の方法で愛をあなたに語りかけた。」
という詩がモチーフになっています。
言葉だけでなく、仕草や視線で愛を伝えるということではないのでしょうか。
言葉では言い尽くせない愛を表現した詩なのかなと思います。
慈愛に満ちた時間を抽象的に表現されていて味わい深い詩だと思います。
香りは、バニラをベースに、ピーチのフルーティーさ、ジャスミン、ガーデニアとチュベローズのしっとりとした甘く優しい香り。
甘々な香りで「言葉なく愛を伝える」というワンシーンと詩を香りで表現した素敵な香りです。
ETAT LIBRE D'ORANGE (エタ リーブル ド オランジェ)|LIKE THIS(ライク ディス)
NOTE:ジンジャー(インドネシア)、パンプキン、タンジェリン、イモーテルフラワー、ネロリ(モロッコ)、ローズ、スパイシーノート、ベチバー、ウッディノート、ムスク、ヘリオトロープ・・・
詩:If Anyone wants to know what spirit is or what "God's fragrance” means, lean your head toward him or her.
Keep your face there close. like this.
「 もし魂とは何か、「神の芳香」が何を意味するかを知りたいのなら、愛する人へ頭をもたれかけなさい。顔を近づけたままじっとするのです。このように。」
という詩の朗読がモチーフになっています。
女優、ティルダスウィントンさんとのコラボレーションで知られるこの香りですが、彼女の詩の朗読と彼女の全てからインスパイアされて作られた香りになっています。
そしてその朗読された詩の作者こそがルーミーでした。
ここで紹介した詩は抜粋ですが、Etat libre d’orangeのSoundcloudで詩の全貌を彼女の朗読で聴くことができます。
この詩は一節で、夜空の美しさや神の香り、魂といった目に見えないけれど目の前にある極限の世界を自分の仕草で伝えています。
取り上げている箇所では魂と神の香りを彼/彼女とハグをするような仕草で表現しています。それを彼女の温かみのある読み方や、彼女の生まれ育った家と重ね合わせることで、ジンジャーブレッドのような香りがすごく安心させてくれます。
この香りを通して人を愛することを許容される世界や無条件に愛されるという安心感を作りたかったんじゃないかなと感じます。
NISHANE (ニシャネ)|Fan Your Flames (ファン ユア フレームズ)
NOTE:トップ|ココナッツ、ラム
ボディ|タバコ、トンカマメ
ベース|オークモス、シダーウッド(中国産)
詩:"Set your life on fire. Seek those who fan your flames”
「あなたの人生、火の中に飛び込みなさい。そして、その火を仰ぎ燃え上がらせてくれる友を探し求めなさい。」
という詩がこの香りのモチーフになっています。
香りとしては長い付き合いの友人と会って会話をしながら自分のモチベーションも上がっていくような場面を切り取ったようなタバコとオークモスの香りがふわっとスモーキーに香ります。
自分のモチベーションを上げる時のお守りのような香りです。
一瞬でその人の作り出す世界に入りこめるのは詩も香水も共通している醍醐味の1つだと思います。
詩と香りの共感覚、詩という一つの世界を纏ってみてはいかがでしょうか?
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