○と△の香水って似てるよね?~似てる香りを探せ~

こんにちは、浦野です。
毎日のように店頭でたくさんの香りに囲まれていると「あれ?この香りに似てる香りあるかも!?」なんて思う時があります。
そんな独り言のような想いを今回文字にしてみました。
これはあくまで私の鼻感になりますので、店頭で試してみて「え!?違うよ、似てないよ!」って思いましたら、遠慮なく教えてくださいね。

それでは、レッツラゴー!

Maison Louis Marie| No.4 ボワ ドゥ バランクール(バランクールの森) & CRA-YON|サンド サービス(イエロー夢の場所)

Maison Louis MarieのNo.4と言えば、イギリスの人気バンド The 1975 マシュー・ヒーリーが愛用している事で話題になり一気にNOSE SHOPの人気者に躍り出た香水。この香りを試しに店頭に足を運んで下さる方は凄く多いんです。香りとしては、ナツメグやシナモンのスパイスの香りが優しく広がります。スパイスの香りなのに、サンダルウッドが加わる事で優しく香り、スパイスの香り初心者さんにもおすすめの香水です。

一方、新参者のCRA-YONからはサンドサービス。この香り試した瞬間スタッフはみな声を揃えて「ルイマリーのNo.4に似てる!」と言ったくらい。この両者のミドルノート以降には同じ雰囲気を感じます。

香料を見てみると同じ香料はサンダルウッドとシダーウッドのみ。サンドサービスはカルダモンやバイオレットリーフの青みのあるスッキリした香りに少しのパウダー要素とウッドの香りが重なる香りで、No.4よりハッキリと輪郭があり、しっかり香る印象です。

香りの強さや持続性を選ぶなら、サンドサービスがおすすめですし、優しくフワッと香るのがお好みであればNo.4がおすすめです。

(右)Maison Louis Marie|No.4 ボワ ドゥ バランクール

NOTE:
トップ|サンダルウッド、シダーウッド
ボディ|ベチバー、ナツメグ、シナモン
ベース|アンバーウッド

(左)CRA-YON|サンド サービス

NOTE:
トップ|バイオレットリーフ、カルダモン
ボディ|アイリス、パピルス
ベース|アンバー、レザー、シダーウッド、サンダルウット

ETAT LIBRE D'ORANGE|ラ ファン デュ モンド(世界の終わり)  &  THE HOUSE OF OUD|ジャスト ビフォー(過去)

ETAT LIBRE D'ORANGEのラファンデュモンドと言えば『世界の終わり』が副題になっていますが、イメージはポップコーンの香りです。それはナゼかって…?

世界の終わりがどうなるかなんて誰も知らない(分からない)→それって映画「アルマゲドン」の世界だよね→じゃ、分からないことだし映画でも見ながらポップコーンでも食べよう!

と、まぁ簡潔に説明すると、『終末世界を娯楽として消費する』そんなイメージが香りに落とし込まれています。あれ、ポップコーンの香りと言えば、THE HOUSE OF OUDは“ジャストビフォー”ではなくて、“ワットアバウトポップ”の香りじゃないの?なんて、NOSE SHOPファンのみなさんに言われてしまいそうですね…

ワットアバウトポップはポップコーンのイメージの香りなんですが、ラファンデュモンドより芳ばしい印象なので嗅ぎ比べると似てないんです。(ウラノ鼻調べ)
“ラファンデュモンド”はポップコーンアコードの甘さ、スティラックス(ベンゾインの学名)の樹脂の甘さ、アンブレットアブソリュートやアイリスのパウダーなムスクの甘さの中に、コショウやクミンなどスパイスの要素が加わります。甘くてどこかスパイシーの美味しそうな香りです。

じゃあ、対する似てる香りはと言うと…
THE HOUSE OF OUDから“ジャストビフォー”の香り。こちらは『過去』と言う時間軸を香りで表現しています。香りとしてはベンゾインや没薬(ミルラの和名)アンバーなどの樹脂系の甘みとパロサント、サンダルウッドなどの、木の甘みやミルキーさのある香りが合わさり、そこに隠し味的にサフランが加わる。全体的に甘みを感じる香りです。

そう、この2つは樹脂系の甘さをどちらも感じる事ができるから似てるのです!
比べてしまえばラファンデュモンドの方がスパイスや花の要素も感じますが、パッと嗅いだ印象はかなり近いです。

(右)ETAT LIBRE D'ORANGE|ラ ファン デュ モンド

NOTE:
ポップコーンアコード、キャロットシード、クミンシード、セサミ、マダガスカル産黒コショウ、フリージア、ハイチ産ベチバー、サンダルウッド、アンブレットアブソリュート、アイリスアブソリュート、スティラックス、カノンパウダーアコード・・・

(左)THE HOUSE OF OUD|ジャスト ビフォー

NOTE:
トップ|ベルガモット、レモン、サフラン
ボディ|パロサント、インライン、没薬
ベース|ヴァニラ、ベンゾイン、アンバー、サンダルウッド

kerzon|ケルエレム(ロックスター)  &  UNUM|ラヴス(聖なる服のアトリエ)

この2つはどちらもインセンス(お香)の香りです。
自宅自粛期間中に #おこもり鼻だめし と題してムエット(試香紙)の香り当てクイズ(自宅に送られてくる香り3つがなんの香りか当てる)イベントを開催していましたが、そのひとつにUNUMのラヴスがありました!

正解はラヴスだったのですが、kerzonのケルエレムと迷っていた方は多いのでは?
スタッフ間でも「後々あれ迷ったよね!?」と話していたり、Twitterでもケルエレムと答えて下さった方も多かったような気がします。

この2つはラストの香りが特に似てると思います。
どちらもインセンス以外に、ケルエレムにはエレミの樹脂が、ラヴスにはオポポナックスの樹脂が含まれている点が似ていたり、レザーが使われている事も共通点です。
香りはケルエレムの方が比べるとパウダリーで、煙をフリーズドライしたらこんな感じになるのではないか?と私は思ってしまうほど、パラパラとしたインセンスのお粉。と言ったイメージで、インセンスの香水で優しく香るアイテムをお探しの方におすすめです。

一方、ラヴスの方がグローブ、カルダモン、ペッパー、コリアンダーと沢山のスパイスも含まれていてトップからミドルまではハッキリした力強さがあります。それは、ある種の強い願いや想いのように突き抜けていて、インセンスと混じり合いながら空高く舞い上がっていきます。やがて、舞い上がった想いは、トンカマメやアンバーの甘さと重なって浄化されていくのでしょう。

最後の最後にケルエレムとラヴスは重なります。
だからムエットで試した時(ラストノートになっているので)この2つで迷う人が多かったのかもしれませんね。
持続性や香りの強さを求めるならラヴスが、重すぎず優しい雰囲気がお好きならケルエレムが私のおすすめです。

(右)kerzon|ケルエレム

NOTE:
トップ|エレミ、キャラウェイ、アルデヒドC-12
ボディ|バージニアシダー、アミリス、インセンス
ベース|ハイチ産ベチバー、ジャワ島産ベチバー、ベジタブルタンニンレザー

(左)UNUM|ラヴス

NOTE:カルダモン、ジャスミン、ブラックペッパー、コリアンダー、エレミ、クローブ、ラブダナム、アンバー、シダー、レザー、インセンス、オークモス、オポポナックス、トンカマメ

こんな感じで、ウラノ鼻調べによる似てる香りを今回は3つご紹介してみました。似てる!と納得して頂けたでしょうか?

ピンときてない!初耳!
と言う方は店頭で試して見てくださいね。
そして、〇〇と△△似てるよね?と私が思う香水の組み合わせたくさんあるんです!
それはまた次回語らせてくださいね。