THE ANIMAL SENSE

さまざまな嗅覚動物たち

さまざまな嗅覚動物たち
ロラン サレス

カタツムリは全神経の80%を嗅覚に使い、イルカは嗅覚がないと思われていたのに実は持っていた。北極熊は10km先のアザラシを嗅ぎ分け、ビントロング(別名クマネコ)はポップコーンの香りを放つ。動物たちは食料探し、繁殖、社会生活など、生存に必要なあらゆる場面で驚くべき嗅覚を駆使している。進化の過程で獲得したそれぞれの種独自の嗅覚メカニズムは、生命の神秘と適応の物語を私たちに見せてくれる。
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THE ANIMAL SENSE

動物としての人間 嗅覚に見る人間の動物性

動物としての人間 嗅覚に見る人間の動物性
エレオノール・ド・ボヌヴァル

動物界では、嗅覚がコミュニケーションの核となる一方、人間社会では長く原始的で恥ずべき感覚として軽視されてきた。しかし近年、人間の嗅覚能力の高さが見直されている。かつて人々は動物由来の香料を香水に配合し、自身の存在感を高めようとした。この慣習は現代ではほぼ消滅したが、化学的にに再構成された動物性の香料は、今なお私たちを魅了し続けている。人間と動物、そして自然との複雑な関係性が、香りを通じて浮かび上がる。
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MIND&BODY

香り、この無意識下に忍びこむもの

香り、この無意識下に忍びこむもの
ドニーズ・ボリウ

香水は単なる装飾品ではない。それは、自己表現、記憶、欲望、そして無意識の深層と結びついた複雑な存在だ。思春期の少女から成熟した女性まで、香りは人生の様々な局面で重要な役割を果たす。プルーストのマドレーヌ、ヒッチコックの映画、セルジュ・ルタンスの作品など、文学や芸術を通じて香りの持つ心理的な力を探る。視覚では捉えきれない、言葉では表現できない香りの世界が、私たちの内なる欲望と恐れを明らかにする。
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MIND&BODY

清らかな魂と汚れた肉体

清らかな魂と汚れた肉体
デルフィーヌ・ド・スワール

目に見えない香りと神の存在を結びつける古代の知恵。聖書、ギリシャ神話、イスラム教など、様々な宗教や文化で香りが果たす重要な役割を探る。聖人の体から漂う天国の香り、悪魔を追い払う力、祈りを天に届ける媒介など、香りの持つ神秘的な力に迫る。肉体の腐敗と魂の清らかさという二元論から、現代の宗教儀式まで、香りが織りなす神聖と世俗の境界線を解き明かす、刺激的な文化史。
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MIND&BODY

アロマコロジー、あるいは香りのスーパーパワー

アロマコロジー、
あるいは香りのスーパーパワー
サラ・ブアース

香りが心に与える影響を研究するアロマコロジーが、香水業界に革命を起こしている。最新技術を駆使した脳活動の分析から、個人に合わせたカスタムブレンドまで、科学と感性が融合した新しい香りの世界が広がる。ストレス軽減、睡眠改善、幸福感増進など、香りの持つ「超能力」の可能性は無限大。美しく香るだけでなく、心身の健康までも追求する現代の香水開発の最前線に迫る、刺激的なレポート。
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MIND&BODY

アロマテラピー論争

アロマテラピー論争:
効果と安全性の真実
パスカル・コーサ

エッセンシャルオイルの人気が高まる一方で、その安全性や効果を巡る論争が激化している。自然由来だからといって無害とは限らない実態、業界と規制当局の対立、科学的根拠の不足など、複雑な問題が絡み合う。専門家の意見や最新の研究結果を交えながら、アロマテラピーの光と影に迫る。医療、ビジネス、そして消費者の立場から、この香り高き世界の真実を探る刺激的なレポート。アロマテラピーの未来はどこへ向かうのか。
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MIND&BODY

体臭が明かす秘密

体臭が明かす秘密:
病気を嗅ぎ分ける最新医学
エレオノール・ド・ボヌヴァル、イラック・グールデン

体から発せられる匂いは、実は健康状態を示す重要な手がかりだ。古くから病気と匂いの関係は知られていたが、現代科学がその真相に迫る。がんや遺伝病の早期発見に役立つ「ナノーズ」や、犬やネズミを使った革新的な診断法など、匂いを利用した最新の医療技術を紹介。さらに、嗅覚障害と様々な疾患との意外な関連性も明らかに。匂いの世界が切り開く新たな医学の可能性は、私たちの健康管理の未来を大きく変えるかもしれない。
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MIND & BODY

原始、香りは治療薬であった

「原始、香りは治療薬であった」
(アニック・ル・ゲールへのインタビュー)
ウジェニー・ブリオ

古代から現代まで、香りは単なる贅沢品以上の役割を果たしてきた。フランスの学術歴史家、人類学者で香水の専門家でもあるアニック・ル・ゲールへのインタビューでは、香りの治療的効果や神聖性、歴史的な使用法が明かされる。エジプトの神々の血と汗、ペスト対策、王侯貴族の秘密の調合など、香りにまつわる興味深い逸話が満載。現代医療でも再評価される香りの力。嗅覚と脳の密接な関係、文化による香りの捉え方の違いなど、多角的な視点で香りの世界を探る刺激的な内容だ。
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NATURAL VS. SYNTHETIC

フレーバー、自然より本物らしい香り

「フレーバー、自然より本物らしい香り」
ドルフィーヌ・ド・スワール

食品に広く使われるフレーバー。それは単なる添加物ではなく、私たちの味覚を操る魔法の素材だ。イチゴヨーグルトの香りは、本物のイチゴよりもイチゴらしい。国によって好まれる味も違う。最新技術で作られるフレーバーは、時に自然を超える「超自然的」な味を生み出す。この記事では、フレーバーの歴史、技術、そして私たちの感覚への影響を探る。自然とは何か、本物の味とは何かを問いかける、驚きの味の世界へ誘う。
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NATURAL VS. SYNTHETIC

失われた香りの庭にて

「失われた香りの庭にて」
アンヌ=ソフィ・ブーヴィル、グザヴィエ・フェルナンデス

古代から愛された香料の中には、今や姿を消したものがある。カラムスの神秘的な力、ヒヤシンスの高価な魅力、ユダヤ・バルサムの聖なる伝説。これらの香りは、毒性や希少性、コストの問題で失われていった。しかし、それぞれに驚くべき歴史がある。聖書に登場する謎めいた香料や、マリー・アントワネットが愛したナードなど、失われた香りの世界を探訪する。香水の歴史を通じて、古代の神秘から現代の科学までの驚くべき旅が始まる。
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NATURAL VS. SYNTHETIC

崇拝される天然原料

「崇拝される天然原料」
ドニーズ・ボリウ

香水業界で天然原料崇拝が進む一方、その裏には複雑な真実が隠されている。かつては化学的な成分が禁忌とされたが、今や天然と人工の境界線が曖昧になりつつある。グラースの伝統的な香料栽培から最新のバイオテクノロジーまで、香水の世界は急速に変化している。この記事では、香水の歴史、文化、そして最新のイノベーションを探り、「自然」や「香り」について私たちが持つ固定観念に挑戦する。香水愛好家も科学マニアも、この意外な真実に魅了されるはずだ。 …
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NATURAL VS. SYNTHETIC

香水は本当に恐るべきものなのか

「香水は本当に恐るべきものなのか」
ジュリエット・ファリウ

香水業界は透明性の欠如と健康リスクの疑惑に直面している。しかし、天然=安全、合成=危険という単純な図式は誤りだ。実際、多くのアレルゲンは天然成分由来だ。業界は厳格な自主規制と科学的評価を行い、EUの規制も世界最高水準だ。にもかかわらず、消費者の不安は続く。この記事は、香水の安全性をめぐる神話と現実、業界の取り組みと課題を探る。香りの魅力の裏に潜む意外な真実を明らかにする。 …
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NATURAL VS. SYNTHETIC

未来の香りはいかにして作られるのか

「未来の香りはいかにして作られるのか」
エレオノール・ド・ボヌヴァル

香水業界の裏側には、知られざる革新の世界がある。香料メーカーは毎年数千もの新分子を開発し、厳しい審査を経て、わずか数種類が実用化される。この過程には莫大な費用と時間がかかり、規制対応や環境への配慮も必須だ。さらに、天然と合成の境界線が曖昧になりつつある中、バイオテクノロジーが新たな可能性を開いている。香水の未来はどこへ向かうのか。業界の最前線で繰り広げられる熾烈な競争と革新の物語を覗いてみよう。
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NATURAL VS. SYNTHETIC

合成香料の誕生

「合成香料の誕生」
ウジェニー・ブリオ

19世紀末、化学の進歩が香水業界に革命をもたらした。クマリン、ヘリオトロピン、バニリンなどの合成香料の誕生により、香水の世界は一変。製造コストの削減で香水が民主化・大衆化し、新たな創造の可能性も広がった。しかし、当時、合成香料には危険性や品質への疑念も付きまとった。それでも、天然と合成の巧みな調合が新たな芸術として認められ、現代の香水産業の基礎が築かれた。この革命的な変化が、今日の香水文化をどう形作ったのか、その舞台裏に迫る。 …
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PERFUME & ART

嗅覚芸術の展望

「嗅覚芸術の展望」
クララ・ミュラー

嗅覚芸術の世界へようこそ。長らく軽視されてきた「香り」が、現代アートの最前線で新たな表現の可能性を切り開いている。有毒ガスから人体の分泌物まで、あらゆる匂いが芸術の素材となり、記憶を呼び覚まし、感情を揺さぶる。視覚中心の芸術の常識を覆し、五感全てで体験する革新的な作品の数々。そして、その背後にいる型破りな芸術家たちの挑戦。嗅覚を通じて世界を新たに捉え直す、刺激的で挑発的な芸術の最先端に、この章は読者を誘う。
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PERFUME & ART

香りをめぐる共闘関係

「香りをめぐる共闘関係」
リオネル・パイエス

香水の世界の舞台裏で繰り広げられる、調香師とアーティスティック・ディレクターの創造的な駆け引き。言葉と香りが織りなす芸術的な対話から、時代を象徴する名香が生まれる瞬間を覗いてみよう。セルジュ・ルタンスやフレデリック・マルなど、業界の巨匠たちの生の声を通じて、香りの創造プロセスに秘められた情熱と葛藤が明らかになる。アイデアの閃き、技術の粋、そして芸術性の追求。香水が単なる商品ではなく、魂を持った作品として生まれ変わる瞬間を、この章は鮮やかに描き出す。
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PERFUME & ART

調香師は芸術家なのか?

「調香師は芸術家なのか?」
サラ・ブアース

「調香師は芸術家なのか?」この問いかけが、香水業界の深層に潜む複雑な現実を浮き彫りにする。歴史的変遷、商業と芸術の狭間、そして個々の調香師たちの哲学が交錯する世界。独立系からブランド専属まで、様々な立場の調香師たちが語る本音は、香りの創造に秘められた葛藤と情熱を鮮やかに描き出す。芸術性と商業性、職人技と創造性の絶妙なバランスを追求する彼らの姿から、香水という芸術の新たな一面が見えてくる。香りの世界の真実に迫る、刺激的な一章。
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PERFUME & ART

香り、この(厄介なほど)混ぜ合わさった芸術

「香り、この(厄介なほど)混ぜ合わさった芸術」
デルフィーヌ・ド・スワール

香水は芸術なのか?この一見単純な問いが、法律、哲学、美学、そして商業の世界を縦横無尽に駆け巡る知的冒険の始まりだ。秘密の処方=フォーミュラ、模造品との攻防、そして嗅覚という神秘的な感覚を巡る議論。香りの世界の裏側には、想像以上に深遠で刺激的な物語が隠されている。この章では、香水という日常的な存在を通して、芸術とは何か、創造性とは何かを問い直す。香りの魅惑的な世界へ踏み込む準備はできただろうか?
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THE SEX OF SCENT

鼻に導かれる旅

「鼻に導かれる旅〜嗅覚を通じた欲望の引き出し方」
ギョーム・テッソン

ストリップダンサーからフレグランスメーカー、人形まで、嗅覚は誘惑の世界で重要な役割を果たしている。ダンサーたちは香水を身分証明書のように使い、客を引き付ける武器としている一方、体臭ケアにも気を配る。フレグランスメーカーは、性的快楽を高めるための香りに注目。タブーとされる体臭の再現にも挑戦する。18世紀の媚薬のレシピを現代風にアレンジした香水ブランドも登場。嗅覚は、現実と幻想が交錯する誘惑の世界で、欠かせない要素となっている。
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THE SEX OF SCENT

フェロモンの真実と幻想

「フェロモンの真実と幻想」
エレオノール・ド・ボヌバル、イラック・グールデン

フェロモンは同種の個体間でコミュニケーションを取るための化学物質で、昆虫や哺乳類など多くの動物で確認されている。しかし、ヒトにおけるフェロモンの存在は未だ立証されていない。一部の研究では、ある物質がヒトの行動や生理機能に影響を与える可能性が示唆されているが、懐疑的な意見も多い。それは人間のもつ複雑な脳機能が動物のように即時的な反応を抑制するからと考えられるからだ。果たしてヒトに作用するフェロモンはあるのだろうか。 …
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THE SEX OF SCENT

魅力のケミストリー

「魅力のケミストリー〜体臭が紡ぐ愛」
エレノール・ド・ボヌヴァル

体臭は、免疫システムや遺伝子の影響を受け、個人を特定できるほど独特である。新生児は母親の匂いを識別し、家族の匂いを好む傾向にある。恋愛においても、容姿や性格だけでなく体臭が重要な役割を果たす。体臭は、感情や年齢、ホルモンバランス、病気などによって変化し、食生活の影響も受ける。恋愛では、匂いが他者を識別する役割を果たし、初恋の香りが後の恋愛に影響を与えることもある。体臭によるつながりは視覚情報よりも愛を深める秘訣となり得る。 …
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THE SEX OF SCENT

誘惑のイメージ

「誘惑のイメージ〜香りが描く現代の男女像」
デルフィーヌ・ド・スワール

香水の広告は、身体やカップルの官能的なイメージを通して、欲望や誘惑を表現してきた。しかし、現代では性やジェンダーをめぐる価値観の変化により、従来の表現方法が十分に機能しなくなっている。今日の広告には、多様化する恋愛観や性別の固定概念を超越する新しい提案の形が求められている。香水ブランドは、古いステレオタイプなイメージに頼るのではなく、消費者一人一人の物語に寄り添うことがますます重要になっている。 …
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THE SEX OF SCENT

香りの性別

「香りの性別〜境い目が消えつつある男性用の香水と女性用の香水」
ドニーズ・ボリウ

香りというものは、本質的には性別を有しないものだが、文化的な慣習により香水には男女の区別がなされてきた。しかし、1800年代後半のゲランの「ジッキー」などのジェンダーを意識させ過ぎない香水の登場以降、性別の境界を曖昧にする動きが広がった。男女双方に影響を与えるオーデコロン、性別のステレオタイプを揺るがすゴルチエやミュグレーの作品や、昨今のニッチフレグランスによる性別の再定義など、香りは性別の流動性を示す繊細な表現として進化し続けている。…
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THE SEX OF SCENT

男性が香りをまとう

「男性が香りをまとう〜常識をぶっ壊せ!『香水は女性のためのもの』という固定概念の変遷」
ウージェーヌ・ブリオ

西欧では香水は長らく女性的とみなされ、男性の使用は暗黙の中で制限されてきた。時代により男性の香りの使用に寛容な時期もあったが、19世紀には男らしさの理想像が変化し、香りの使用はより慎むべきとされた。20世紀に入り、男性用の香水が登場。特にシダをベースとした香りが男性的価値観と結びつき普及した。男女の社会的役割の変化とともに、香りと性別の関係も流動的に変化している歴史を紐解いていく。 …
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