香りで旅する世界旅行 

フランス、パリの玄関口シャルル・ド・ゴール空港。
ビジターのイミグレーションを通過して、荷物の回転木馬で自分の荷物が出てくるのを待つ時間。
少しずつだけれど、どこかフランスの匂いが鼻を掠めはじめます。
バスでも電車でもタクシーでも揺られてパリ市内に入ると、そこはパリの匂いが存分に楽しめて。
旅の楽しみの一つは町の匂いを感じることかもしれません。

イギリスのヒースロー空港の匂い、イタリアのミラノ空港の匂い、都会の空港にある匂いは似通っていても、ヨーロッパならではのニオイの共通点も感じられそう。

貴方の降り立った空港を想像してみてください。
日本でもずいぶん違う匂いがあると思いますし、世界の空港の中でも東南アジアの個性的な匂いも旅のスタートをワクワクさせる装置やスイッチ、はたまた仕掛けとでも言ったら良いのでしょうか?

空想の世界旅行をしてみたかったら、NOSE SHOPに足を運ぶのもおすすめ。
いくつもの国や場所、地域をイメージした香りの数々が並んでいます。

少し眺めてみると場所の名前を見るだけで、ワンデートリップができそうです。
「ここ行ったことがある」「ここは行ってみたかった」なんて声が思わず口から出てしまいそう。

香りで旅する世界旅行 

少し覗いてみましょうか? あら、ごめんなさい、少し嗅いでみましょうか、ですね。

最初に見つけたのは商品名もストレートに「エジプト」。もちろんエジプトをイメージしています。
「幼馴染に再会するために渡ったエジプトがテーマ」なんて、旅の目的まで共有できますね。

国そのものが海に囲まれているイタリアも足は運べないので、いくつか鼻を運んでみましょう。
「リモーヌ」は「アマルフィ海岸への旅。地中海の青さに突き刺さるような断崖絶壁の道に沿って走る」イメージ。 「ヴェラネロリ」は「ファラリオーニ岩礁群を見下ろすカプリ島の高台にあるオレンジの花が咲く庭」香りに鼻を傾けているだけで、私たちを海の上に連れて行ってくれるようです。

フランスに鼻を伸ばすと面白い場所が不思議と多いようです。
それは公園や庭園。イメージの言葉だけ拾ってみます。
「ブーケドゥオングリー|ハンガリーの花束」は「4階の部屋から眺めるパレ・ロワイヤル庭園。ベッドからおりて身支度をはじめる女性」。「グリ シャーネル|銀色の情欲」は「セーヌ左岸のティノ・ロッシ庭園。夜に集うダンサーの中から抜け出した夏の男女の一夜がテーマ」。
さすがは「アムール(愛)の国」「恋愛至上主義の国」とも言われるフランス。なんだかセクシーなドラマが隠されていました。

香りで旅する世界旅行 

アメリカは都会の香りで旅の気分が出てきそうです。
その名も「ニューヨーク」は「眠らない街「ニューヨーク」に捧げた香り」、「ナイトスケープ」は「ニューヨークの夜景。写真家マット・リカリの故郷」と町そのものへの愛情が感じられますね。

香りで旅する世界旅行 

ロサンゼルスは部屋を舞台に香りの物語が始まります。
「1015室」 限定された部屋の空間にドキドキします。「ブランド名の1015号室はLAのサンセット大通りの「狂乱の館」コンチネンタルハイアットハウス」。狂乱の館とは一体何が行われていたのでしょうか。そんな空想も旅の醍醐味。

イギリスに鼻を移動してみましょう。

香りで旅する世界旅行 

「チェリーパンク」さすがはパンク発祥の地、ロンドンをイメージしているようです。
「キングス・ロード430番地、パンクロックの聖地が舞台の香り」ガールズパンクの音とビートが聴こえてきそうですね。

なかなか足を運べない場所も鼻を運んでみたいと思います。

香りで旅する世界旅行 

「コヴェン|神秘的な森林の闇」は「国土の約1割が氷河で覆われ「火と氷の国」と呼ばれるほどの厳しい気候」を表現しています。
「テ ダラブッカ」はサハラ砂漠が舞台です。「砂漠。ダラブッカの小気味よく刻まれるリズムで色づいていく夜明け。砂漠の民がこよなく愛する甘いお茶」をイメージした香り。砂漠の夜明けに貴方の身を運んでくれます。
「ムーンミルク|月のミルク」 はスイスのピラトゥス山がモチーフ。「ピラトゥス山の洞窟にさしこむ月の光がテーマ」。美しい洞窟の風景を見せてくれることでしょう。

なんだか香りは風景を想像させる、とても身近な装置なのかもしれません。
インターネットでどこにでも行ったように感じられる時代になりましたが、香りから彼の地をイマジンしてみる世界旅行。

ここに書かせていただいたのはほんの一例。
まずはNOSE SHOPで鼻で旅する世界旅行を体験してみてはいかが?



text|Toru Kitahara
photo|NOSE SHOP


北原 徹 フォトグラファー、編集者、文筆家 マガジンハウスで「anan」の編集や「POPEYE」の副編集長などを経験後、独立。2016年にファッション誌「PLEASE」を立ち上げ、国内外のハイブランドを撮影、編集し話題に。2022年には丁寧な暮らしのための雑誌「This」を創刊。2022年7月の「渋谷パルコ」のシーズンビジュアル「2022 A/W NEW LOOK」ではモデルにモトーラ世理奈さんを起用し、総合ディレクション、アートディレクション、写真、スタイリングとして制作。カタログをはじめビジュアル製作も多数。
Instagram:@torukitahara