連載【 What’s in my “NOSE” 】ー #02 KO-GU 新宿 店長 東 ー

香りの楽しさや奥深さを伝えることを目指す、NOSE SHOPスタッフ。この連載では、香りにまつわる質問はもちろんのこと、NOSE SHOPとの出会いや愛用品の紹介を通じて、スタッフ1人1人の素顔に迫ります。その他、私服に合わせる“香水コーディネート”などもご紹介。第2回目は、KO-GU 新宿 店長の東(あずま)が登場!

Before meeting NOSE SHOP

幼い頃から香りに敏感で、身近にあるものを何でもくんくん嗅ぐ癖がありました(笑)。「柔軟剤はこれがいい」と母にお願いしたり、母の香水を使ったりしちゃうような子どもでしたね。自分の身の回りは常にいい香りに包まれていてほしい!という思いが、幼い頃から強かったんです。本格的な香水との出会いは高校生のとき。「Jo Malone London」の「バジル & ネロリ コロン」と「グレープフルーツ コロン」を両親に買ってもらいました。この香水から、香りの奥深さを知ったので、自分の原点のような大切な香りです。

KO-GU 新宿 店長 東

Meeting with NOSE SHOP

NOSE SHOP1号店がニュウマン新宿にオープンした2017年8月、当時私は大学生でした。秋にお店を訪れ、初めてニッチフレグランスの魅力に触れ、丁寧に接客していただき感動したのを覚えています。それまでは免税店などで黙々と香りを試して買っていたので、ブランドの成り立ちや香りのコンセプトを聞くという体験がとても新鮮で…。「私も働いてみたい!」と思い、「アルバイト募集していませんか?」と咄嗟に聞いてしまいました(笑)。当時は募集していなかったのですが、面接の機会をいただき、なんと採用に。2018年1月1日、超多忙な年始の期間から新人として参加しました。当時は大変でしたが、今ではとてもいい思い出です(笑)。

NOSE SHOPがプロデュースする「KO-GU」のローンチにあわせて行われた社内公募をきっかけに、2022年3月からはKO-GU1号店に勤務となりました。KO-GUは天然香料主体のシンプルな香りが特徴で、単一はもちろん、組み合わせても美しく香るのがコンセプト。それを知ったとき、もともとナチュラルな香りが好きでレイヤリングも研究していた自分にぴったりだと思い、自信を持って応募しました(笑)。今はKO-GU 新宿の店長をしています。

NOSE SHOPとKO-GUで働いて7年目の今、接客で一番大切にしているのはお客様に寄り添うこと。お客様自ら香りに興味を持ち、自然と好きになっていただけたらいいなと思っています。そのため、自分から一方的に香りの知識や情報をお話しするのではなく、お客様の“好き”という気持ちを引き出せるような接客を心がけています。「自分の好きな香りがわからない」という方には、普段使っていらっしゃるシャンプーや柔軟剤の香りの系統を伺い、その延長線上にあるような香水をおすすめするようにしています。

What’s in my “NOSE”

 

好きなジャンルは、シダーやベチバーなどのウッディ系の香り。爽やかでさっぱりしたシトラス・ティー系も愛好。

Maison Louis Marie「No.9 ヴァレ ドゥ フェルネ|ヴァレ ドゥ フェルネ自然公園」
私のシグネチャー香水です。2019年に初めて買って以来、毎日つけても飽きないくらい大好きです。高校生の頃に出会った「Jo Malone London」の香水に近いような気がして、何だか落ち着くから。初めて店頭で試したとき、その場で即決しなかったのですが、忘れた頃に「私、すごくいい香りがする!」と買いに走ったことをよく覚えています(笑)。トップノートからラストノートまで香ってみて、本当にいいと感じてから買うことが多いですね。

Les Bains Guerbois「1986 エクレティック」
3年前、NOSE SHOP 横浜のスタッフだったときに買いました。販売がスタートし、お客様からの人気が高かったため店頭で毎日ムエットに吹きつけをするうちに素敵な香りだなと徐々に惹かれていったのですが、甘くスモーキーな香りはその当時つけたことがなく自分に似合うか不安で保留となっていました…。そのまま半月ほど経ち、ある出張中に思いがけず若干のホームシックになってしまった場面があり(笑)、そんな時に思い切ってこの香りを肌のせしてみたところ、とても気持ちが落ち着いて安心できたんです。12月だったこともあり、季節的にも感情的にもマッチしてすぐに購入を決めました。その後、甘くスモーキーな香りにもトライできるようになったので、香りの可能性を広げるきっかけとなりました。

Obvious「アン ムスク」
KO-GUに異動後、天然香料を主体としたシンプルな香りに囲まれて働いているうちに、嗅覚が敏感になり、香りへの感度が良くなったように感じていました。そのため、NOSE SHOPに行くと「どれもいい香り!」となり、逆に「これぞ」という香水を選べずにいたんです。そんな中、「まっさらな白いTシャツのような香り」というブランドコンセプトにも惹かれて嗅いだのが、この「Obvious」の「アン ムスク」。その日のコンディションやTPOなどを考えずに、サラッとつけられる香水って持っていなかったので、とても新鮮に感じてお気に入りになりました。

KO-GU「ソイル」
KO-GUの新作で、これまでのシリーズよりも奥行きや深みが表現されているのですが、その中でも特に好きなのがこの香りです。強気に香るシトラスに続いて、ローズマリーの爽やかさや青みあるパチョリが綺麗に顔を出します。

Favorite Items

 

MAD et LEN「ポプリ THE SICHUAN」
アイアンの器に入った溶岩石に、アロマオイルを添加して使うポプリです。黒やグレーを基調とした自宅のインテリアに合う、シックなデザインが気に入って買いました。この「THE SICHUAN(テシュアン)」は四川茶をイメージした香りだそうで、嗅いでいるととても落ち着きます。リビングに飾っていると、訪れた友人たちが「これ何?」と興味津々になり、それもまた楽しいです(笑)。

L:A BRUKET「バーム アーモンド/ココナッツ」
スウェーデンのブランド「L:A BRUKET」のスキンケアはいろいろ使いましたが、一番好きなのはこのバーム。しっとりと潤い、乾燥知らずに。私は唇のほかに肌や髪の保湿にも使っています。とても持ちがいいのですが、毎日使っているせいか、あっという間に4本目です。アーモンドとココナッツオイルの、自然本来のほのかな甘みが心地よく気に入っています。

MYKITA「アイウェア」
メガネをファッションの一部に取り入れたいと思って、いろいろ探していたときに出会いました。ドイツのアイウェアブランドで、フレームにネジを使わないところにグッときたんです。長く使い続けても、ネジを締める必要がないってラクでいいなって(笑)。もちろん、デザインもお気に入り。黒縁よりも重すぎない、ところどころがクリアになった鼈甲なので、かけると抜け感が出せるんです。ノーズパットは私の鼻筋の高さに合わせて調整してもらいました。私にとっては大きな買い物でしたが、今後、度つきやカラーのレンズを入れるなど、長く愛用していきたいです。

アビオス「ベジパワープラス」
青汁の原料である若草をはじめ、海藻類や多肉植物、乳酸菌などがブレンドされた粉末のドリンク。美容と健康のために、毎日水に溶かして飲んでいます。以前は複数のサプリを飲んでいたのですが、ちょっと面倒になり(笑)、たくさんの栄養が含まれるこのドリンクに一元化。一度気に入ると長く続けるタイプなので、もう5年ほど愛飲しています。

Perfume Coordinatiton

ファッションのレイヤリングが好きで、異なる色や素材を重ねると自分らしくて感じて落ち着きます。今日、上に着ているブラウスは、韓国のブランドのもの。韓国ブランドの服は日本と違う視点のユニークさがあって、たまに取り入れると新鮮な気持ちになれます。

デニムはEDWINの「SOMETHING」一択。ストレッチが効いていて、おろし立てでも柔らかいので、しゃがむ動作をしても苦になりません。さりげなく裾がフレアになっていて、女性らしいシルエットがお気に入りです。

スニーカーはフランスのアウトドアブランド「SALOMON」。ゴアテックス搭載の防水スニーカーなので雨の日も安心だし、とにかく歩きやすくて最高なんです。モノトーンのデザインが人気ですが、私は大好きなブルーが入ったこの珍しい配色が気に入って買いました。人と被らない、ちょっと尖ったデザインが好きですね。


5〜6年前からずっとセルフネイルで、ネイルサロンには行っていません。月に1回、自分でデザインを考えてジェルネイルをしています。こだわっているのは、左右の爪のデザインを少しずつ変えること。正直、毎回デザインを考えるのは大変なのですが、自分が納得したネイルで毎日過ごしたいので、うんうん唸りながら続けています(笑)。

香水は、KO-GU「ソイル」。普段からファッションの雰囲気とギャップのある香りをつけるのが好きなのですが、トップスにリボンモチーフと少しガーリーなエッセンスを取り入れているので、メンズライクでアーシーな力強さを感じるこの香りを選びました。

tops:UNE MANSION
pants:SOMETHING
bag:HELOYSE
backpack:UNION MAGAZINE
shoes:SALOMON
perfume:KO-GU ソイル

Dear NOSE SHOP FAN!

心地よい接客の仕方はお客様によって変わるものなので、常にオーダーメイドの接客を心がけています。たとえば、「静かにじっくり香りを選びたい」という雰囲気を感じたら、ご質問いただくまではそっと見守ります。反対に、お友だち感覚で気軽に相談しながら香りを決めたいという方とは、喜んでたくさんお話をさせていただきます。お客様には気負わずにお店を訪れていただき、些細なことでも何でも、どんどん聞いていただけると嬉しいです。香水って敷居が高いと思われがちですが、「KO-GU」はあえてストーリーとビジュアルを極限までカットした、手頃な価格帯のデイリーフレグランスブランド。生活の道具として自由に、楽しみながら使っていただきたいと思っています。

 

※記事内の紹介製品は、すべてスタッフの私物です。

 

photo・interview|NOSE SHOP
text|Miho Kawabata